へたれ王子




「……」



もったいない、ねぇ…。

でも本当に、成績がいいからって大学に進学することが正解なんだろうか。

別にそうしたい理由や夢なんて全くないのに。



「…考えときます」



俺がそう言うと、田中先生は「前向きにお願いね」って言った。



「はい…」



ま、進学することなんてきっと無いと思うけど。

俺はもともと就職したい派だったし。


でも田中先生が「これ、持って行きなよ」って大学の資料を渡すから、

俺は仕方なくそれを受け取って鞄にしまった。



「じゃ、失礼しました」

「はい、気をつけて帰ってねー」



軽く会釈をして職員室を後にしようとすると、田中先生がそう言って俺ににこやかに手を振る。


はぁ…疲れた、



ってか田中先生、あんな可愛いのに「進路指導担当」ってだけできっと結構損してるよな…。



そう思いながら職員室を出て帰ろうとしたけど、俺はふと立ち止まってやっと気が付いた。



「…あ、茉友ちゃんどこだろ、」