へたれ王子



そう言って、ジロリと菊池先輩を見遣る。

星河先輩によって離された手に、菊池先輩は特に悪びれた様子もなく「ごめんね、友希君」って笑った。

だけど一方のあたしはそう言ってくれた星河先輩が嬉しくて、思わずニヤけてしまいそうな顔を必死で抑える。


ヤバイ…何、今の。

超嬉しすぎるっ!



「…ってかほら、帰るよ友希」

「うん…」



あたしが独りでそう舞い上がっていると、その横で菊池先輩が星河先輩にそう言った。

でも星河先輩は、一応返事はしてくれるものの全く起き上がってくれる気配がない。



「友希ってば、」

「…わかってるよ…」

「……」



そしてあまりにもその状態が続いたため、星河先輩は半ば無理矢理に菊池先輩にベッドから連れ出された。



「ぎゃーっ!鬼!菊池という名の鬼がいる!」

「ウルサイ、ほら帰るよ」



…菊池先輩、すごいな。


二人のやりとりに圧倒されながらも、あたしも先輩達と一緒に保健室を後にした。