俺がそんなみんなの間を通り抜けて自分の席に行くと、今度はそこへ菊池君が話しかけてきた。
「おはよ、友希」
「おお、おはよ」
そしてコイツも誰から聞いたのか、俺からはまだ言ってないはずなのに茉友ちゃんとのことを聞いてくる。
「ね、友希。夏野茉友ってコと付き合うんだって!?もしかしてそのコって、この前の保健室のコ!?」
「うん、そうだよ」
「そうだよって、どうしてまた…。友希、彼女とか一切作んなかったのに」
菊池君は俺にそう言うと、俺の前の奴の椅子を借りてそこに座る。
どうしてって、俺にだって彼女を持つ権利くらいあるでしょ。
そう思いながら「まぁね」と曖昧な返事をしたけど、でも菊池君には本当のことを言っておこうかと口を開いた。
「…実は昨日、放課後に茉友ちゃんから呼び出されてさ」
「うんうん、」
「告られちゃったわけよ、俺。まぁいつも通り断ろうかと思ったんだけど…」

