「そうねぇ…じゃあ、あんたみんなの前で星河先輩に告りなさいよ」
「えっ!?」
「それがあんたの罰ゲーム」
佐伯さんはそう言うけど、周りで話を聞いていた他の女子達が不満げに佐伯さんに言った。
「えー、それ何か嫌」
「星河先輩が告られてるとこ、見たくなーい」
そう言って口々に文句を言う。
だけど佐伯さんは余裕で、「なーに言ってんの」とみんなを説得した。
「あの星河先輩が、コイツの告白をOKすると思う?絶対無理でしょ」
「そうだけど…」
「第一、星河先輩は誰の告白もOKしたことがないのよ。ま、あんたなんか無惨にフラれるがいいわ」
佐伯さんはそんな悪魔のような言葉をあたしに言い放つと、声をあげて嫌味ったらしく笑った。
そう。
星河先輩は絶対に誰の告白もOKしない。
だからあたしが先輩に告白しても、もうする前から答えは決まっているのだ。
だけど、ここで逃げるわけにいかないし、もし逃げちゃったらあたしは何をされるかわからない。
「…や、やります」
あたしは弱々しくそう言うと、佐伯さんは「じゃあ、今日の放課後早速実行するわよ」と告げて、仲間と一緒に体育館を後にした。

