へたれ王子





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茉友 side




バレーの試合終了後。

同じチームの佐伯さんが、物凄い剣幕であたしに言った。



「ちょっと夏野!あんたのせいだからね!」

「ごめんなさい…」



あれから試合をして、バレーが苦手なあたしはミスを繰り返してしまい、結果相手チームに負けてしまったのだ。

…最悪だ。

みんなは結構頑張っていたのに、あたしがみんなの足を引っ張ってしまった。

あたしが申し訳ない気持ちで謝ると、佐伯さんがニヤリと不気味な笑みを浮かべて言う。



「…しょうがないね。じゃあ、罰ゲームは夏野一人ですることにしましょ」

「!?…え、」

「当たり前じゃない。あんたのせいで負けたんだから」



佐伯さんはあたしにそう言うと、ギロリとあたしを睨む。



ひっ!



その鋭い目に思わずびびったあたしは、慌てて「わかりました。一人でやります」と頷いてしまった。



「そうそう。それでいいの」


罰ゲームは何をさせられるのかわからず、ビビりまくるあたしを、佐伯さんは両腕を組ながら満足そうにあたしを見つめる。

そしてしばらく考えたあと、意地悪な笑みを浮かべてあたしに言った。