へたれ王子




…さ、何て返事が返ってくるかな。


そう思いながら田中先生の言葉を待っていたら、田中先生は俺から目を逸らして呟くように言った。



「へ、へぇ…そうなんだ…知らなかった、」



そう言って、「応援してたのに、残念だなぁ」なんて言葉を付け加える。



「…じゃあ、失礼しました」



そして俺はそんな田中先生に背を向けると、やっと進路指導室を後にした。


…一見、普通の先生と生徒の会話。

でも、一瞬だったけど俺にはちゃんと見えた。


田中先生が下を向いてほくそ笑んでいた姿が。



……やっぱり、田中先生は怪しい。

いや、怪しいなんてもんじゃない。


俺は気づいてしまった。



田中先生が、茉友ちゃんと菊池君の邪魔をしたんだってことに。