******
茉友 side
夕べは、田中先生の言葉が気になって結局あんまり眠れなかった。
だから気が付かないうちに、
あたしは菊池先輩のことをちゃんと好きになっているんだと思う。
それはもちろんいいんだけど…。
「あ、茉友」
「!」
そんなことを昼休みに廊下で独り考えていたら、そこを偶然通りかかった菊池先輩に声をかけられた。
その声を聴いただけであたしはドキッとしてしまうけど、先輩は構わずにあたしのすぐ隣にやって来る。
「き、菊池先輩」
「何してんの?ここで」
「いや、ちょっと考え事を…」
「?」
あたしがそうやって笑って誤魔化すと、菊池先輩はふんわり笑ってあたしの頭を優しく撫でた。
「!」
その手に、あたしはまたしてもドキドキしてしまう。
だけど、複雑だ。
その手はあまりにも慣れすぎているから。
だから、あたしはいつまでもこのままでいるのも嫌だから、先輩に言ってしまった。
「あ、あの…菊池先輩、」
「うん?」
「聞きたいことが、あるんですけど」
「なに?」
あたしがそう言うと、菊池先輩はあたしの顔を覗き込んでくる。

