あたしが独りそう思っていると、無理矢理起こされた星河先輩が物凄く嫌そうに言った。
「!!嫌だ~!誰か助けて~悪魔、悪魔がいるー!!」
「ダダこねないの、ほら、お昼ご飯食べに教室戻るよ、」
「無理!無理です神様仏様菊池様どうかこのままずっと保健室に居させてくださいっ…」
「だーめだってば、まだ授業が残ってるのに。友希はただちょっと疲れただけでしょ」
菊池先輩はそう言って、嫌がる星河先輩を保健室の外に連れ出そうとする。
だけどその時ふいに何かを思い出したようにして立ち止まると、星河先輩から手を離してあたしの傍までやって来た。
「?」
そして、菊池先輩はあたしの耳元に顔を寄せると、星河先輩に聞こえないくらいの小さな声で言う。
「“菊池”って、覚えるのもいいけどさ…」
「?」
「出来れば、“大将(ダイスケ)”って下の名前も覚えてほしいな」
「!?…ッ」
菊池先輩はそれだけを言うと、顔を真っ赤にして固まるあたしを残し、星河先輩と二人で保健室を後にした。

