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茉友 side



星河先輩と別れてから、数週間が経過した。

あれ以来星河先輩とはもちろん会話をしていないし、そもそも顔すら合わせていない。

それがかなり寂しくて、ショックは大きかったけれど…



「あっ、茉友ちゃん」

「!」



最近は、菊池先輩がよく話しかけてくるようになった。

でもあたしは告白されたことで、菊池先輩を見ると絶対に挙動不審になって顔が熱くなってしまう。



「あ、ど、どもっ…」

「…」



そして今日もそんな感じで、まともに菊池先輩と顔を合わせられないままそこを通り過ぎようとしたけど…。



「待って」

「!!」



菊池先輩にすぐに腕を掴まれ、それを阻止されてしまった。

その行動にあたしが更に慌てていると、菊池先輩が寂しそうな声で言う。



「そんなにあからさまに避けられると、さすがの俺も傷つくよ」

「!」



そう言って、寂しげな表情であたしを見た。

だけど目が合った瞬間あたしはもっとドキドキして、菊池先輩から視線を逸らす。


…だって、告白なんて初めてされたから、どんな顔をして菊池先輩を見たらいいのかわかんないんだもん。


そう思って心臓をバクつかせていたら、菊池先輩が言った。



「…あの、茉友ちゃん」

「?」

「突然で何だけど、俺、茉友ちゃんと今度二人でどっか出かけたいっていうか…」

「!」

「デートがしたいんだけど…だめかな?」