え…
キス、してない…?だって…
「で、でも…距離が、あの…」
あたしが慌て気味でそう言うと、星河先輩が少し笑って言う。
「あれは、田中先生が俺の頭にゴミがついてるって取ってくれてたんだよ。そしたらちょうど茉友ちゃんが来て…」
「!」
「勘違いされたっていうか…」
星河先輩はそう言うと、今度は苦笑いを浮かべた。
じゃ、じゃあ昨日はあたしが勝手に独りで勘違いしてショックを受けてただけだったんだ!
あたしはそう思うと、凄く申し訳なくなってそこから立ち上がって星河先輩に謝った。
「す、すみませんでした!星河先輩、」
「いや、いいよ。俺が茉友ちゃんの立場でも、同じこと考えてたと思うし」
「でも…」
「座って、」
「はい…」
はぁ…本当に申し訳ないなぁ。
そう思いながらも、あたしは渋々また椅子に座る。
そしたら星河先輩がまたふいに口を開いて、言った。
「…で、あの、もう一コ…」
「?」
「菊池君のことなんだけど」
「!!」
星河先輩は言いにくそうにそう言うと、不安げにあたしに目を遣る。
するとその瞬間真っ直ぐに視線が合って、星河先輩が言った。
「…俺ね、今日ずっとここで考えてたんだけど、」
「…?」

