へたれ王子




星河先輩 side



翌朝。ちょっと遅刻しそうになりながら教室に行くと、クラスのほぼ全員が俺に話しかけてきた。



「ちょっと友希!」

「!?」



そんなみんなの様子に「何事だ」と思わず後ずさりをしたら、その腕を掴まれて言われた。



「あんたの彼女、大将に狙われてるらしいじゃん!」

「!?」

「昨日、大将とあんたの彼女がチューしてるとこ、他の生徒が見たって!」

「は…」



それを言われた瞬間、思わず俺の顔が強張る。


昨日、必死で「あれは夢だったんだ」と思い込んでいた一部始終が、どうやら夢ではなく現実だったらしい。



「え、えっと…き、菊池君は?菊池君は来てる?」



動揺しながら俺が目の前の女子にそう聞いたら、その女子は



「来てるけど、さっきから何聞いても黙ったままで何も言わないんだよ」



って顔をちょっとしかめた。



「!」



その言葉に、俺は目の前の人だかりを潜り抜けて教室に入る。

そしてキョロキョロと辺りを見渡してみたら、菊池君は自分の席に座っていた。



「菊池君!」