へたれ王子




…ん?何だ?何が起きた?


菊池君のよくわからない声にまた二人をこっそり覗くと、

その瞬間何故か茉友ちゃんが笑い出した。



「な、何ですか先輩のその声!」

「え、変だった?」

「いや、可笑しすぎますよ!」



茉友ちゃんはそう言うと、菊池君の前でケタケタ笑う。


…あ。茉友ちゃんがああいう風に笑ってるトコ、俺初めて見たかも…。


そう思って少し寂しく感じていたら、少しだけ黙っていた菊池君が茉友ちゃんに言った。



「…悲しいの、吹っ飛んだ?」



その問いかけに、茉友ちゃんがちょっとだけ笑いながら答える。



「はい、だいぶ楽になりました」




…しかし、茉友ちゃんがそう言った次の瞬間…。





ふいに菊池君の右腕が、素早く茉友ちゃんの肩を抱き寄せた。

そしてそうかと思えば…。



「!!…っ、」



突然、菊池君が…








茉友ちゃんにキスをした。