へたれ王子




…菊池先輩…。



あたし、菊池先輩と友達になれて本当によかったよ…。


そう思ってる間にも、菊池先輩の優しい手があたしの頭を撫でてくれていて、

あたしはその手に安心してそっと目を瞑った。





………



………





…それから、どれくらいの時間が経っただろうか。

思わず寝そうになってしまっていた目を開けると、

隣にいてくれている菊池先輩が言った。



「…少しは落ち着いた?」

「!!」



そう言って、チラリ、とあたしに目を遣る。

抱き寄せられているから距離が物凄く近くて、

あたしはようやく我に返って慌てて菊池先輩から離れた。



「すっ…すみません!」



…うわ、どうしよう。

泣いてて「もう何でもいいや」状態になっていたけど、

かなり菊池先輩に迷惑かけちゃったよね、あたし。

いくら先輩が優しいからって…。



あたしがそう言って謝ると、菊池先輩が笑って言った。



「っつか寝そうになってたでしょ。寝顔?可愛かったよ」

「!!」



そう言って、可笑しそうに笑うからあたしも恥ずかしくなってしまう。