へたれ王子




ウバッチャッタ??



「なに、何かのおまじないなの?」



そう聞いたら、美帆ちゃんは俺にそのマスコットを手渡しながら言った。



「そうだよ。これでこの天使は、大将の恋を助けてくれる」

「!」

「もしかしたら、友希から奪えちゃう日が来るかもね」



美帆ちゃんはそう言うと、悪戯に笑って見せた。

…そんな簡単にうまくいくかなぁ。



「ふーん…まぁ、ありがとう。遠慮なく貰っとくよ」



俺が鞄にそれをつけながらそう言ったら、

美帆ちゃんは「頑張って奪ってこーい!」って俺の背中をバシバシ軽く叩いた。



…まぁ、そうだよね。

友希に誕生日プレゼントのシールを通じて、

ちゃんと「負けない」とか何とか宣言したわけだし。



「じゃーねー」

「うん、バイバイ」



俺は美帆ちゃんに手を振ると、

家庭科室を後にして生徒玄関に向かった。