へたれ王子




「どーだろうね」



俺は美帆ちゃんのその言葉に笑って見せるけど、

美帆ちゃんは真剣な顔をして俺に言う。



「え、叶ってくんなきゃ困る!あたしだって友希のことまだ好きだし」

「…そうっすか、」



ほんと、モテるよね。友希。


俺はそう相槌を打つと、そのマスコットをまじまじと見つめた。



…すげー。お店に売ってあるやつみたい。

やっぱ美帆ちゃんは凄い器用だ。



俺がそう思いながらそれを見つめていると、美帆ちゃんはどこからかキーホルダーの金具を持ってきて言った。



「待って。せっかくだからこれつけてあげる」



そう言って、その天使に器用にキーホルダーの金具を付ける。

つけ終わると、美帆ちゃんは改めてそのマスコットを見つめた。



「…上出来」



そして、そう言ったかと思うと…



「ねぇ、大将こっち向いて」

「うん?」



ふいに呼ばれて、俺が美帆ちゃんの方を向いた瞬間、

何故か美帆ちゃんが持つマスコットが俺に近づいてきて…



「!」



避ける暇もなく、俺はその天使のマスコットにキスされた。



「…何それ」



いきなり何すんだよ。


そう思ってそう聞けば、美帆ちゃんは笑いながらふざけた声で言う。



「奪っちゃった♪」