へたれ王子




「これくらいで申し訳ないけど、手伝ってくれたお礼」



そしてそう言って、ニッコリ笑う。



「あ。ありがとうございます」



…欲を言えばジュースを奢ってくれた方が嬉しかったな。


内心俺がそんなことを思いながらそのキャンディーを口に含むと、

何かに気付いた田中先生が俺の頭を見て言った。




「あれ、星河くん」

「?」

「頭、髪の毛に埃ついてる」

「え、」



田中先生はそう言うと、少し背伸びをしてそのゴミをとってくれる。




でも、その時…



「…!」



ふいに物凄い至近距離で目が合って、俺はその整いすぎた田中先生の顔に、思わずドキッとしてしまった。








すると、その瞬間──────…。





ガラッ




「!!」




資料室のドアがいきなり開いて、誰かがそこに入ってきた。

しかも、入ってきたのは…




「…ほ、星河、せんぱい…?」





茉友ちゃんだった。