へたれ王子





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それからどれくらいの時間が経っただろうか。

一通りの棚を拭いて、床をホウキで掃こうとしていたら、

その時田中先生に言われた。




「ねぇ、星河くん」

「はい?」

「星河くんって、掃除が上手いんだね」

「え、」



そ、そんなこと俺初めて言われたぞ!?



「…そうっすかねー、」



疑い半分の気持ちでそう相槌を打てば、田中先生は「そうだよ」って頷く。



「だって、意外とこまめに棚も拭いてくれたし、
見てみると埃一つないんじゃん。やっぱ、星河くんに頼んで良かったな」



田中先生はそう言うと、俺の目をまっすぐに見てニッコリ笑う。

…やっぱ顔が可愛いな、この先生。


そう思いながら、「ありがとうございます」って言えば、

「これからもずっとお願いしようかな」なんて冗談っぽく言われた。


え、それはマジで勘弁して。



そう思って「それはちょっと…」と苦笑いを浮かべると、

田中先生は「…そうだよね。ごめんね」と言って少し寂しそうな顔をして見せた。



「…?」



…もしかして先生、これからここの掃除を独りで任されてたり…?

でも確かにまだ新米だし、あり得るかな。