へたれ王子




茉友 side



ようやく放課後になると、あたしは星河先輩を迎えに行こうと教室を後にしようとした。

ちょっと不安だし怖いけど、昨日のことはちゃんと謝っておきたい。



そう思って覚悟を決めたのに…



星河先輩から、突如メールが来た。




“ごめん。今日は田中先生の雑用があって一緒に帰れない”




「!!」




えぇ~。



そのメールを見た途端、思わず落胆する。

せっかく謝ろうと思ってたのに。

それにまだ、誕生日プレゼントも渡してない。


そう思って自分の教室の前で独り落ち込んでいると、

そこを偶然通りかかった佐伯さんに話しかけられた。




「あ、ちょっとアンタ、ちゃんと星河先輩と仲直りしなさいよ!」

「…佐伯さん…」




そう言って帰ろうとする佐伯さんの腕を、あたしは思わず掴む。




「ちょっと待ってください!」

「な、何っ!?」



佐伯さんは突然のあたしの行動にびっくりしているけど、

そんなのもうどうでもいい。

この気持ちをなんとかしてしまいたい。



あたしはそう思いながら、佐伯さんに星河先輩から来たメールの事を相談した。



「これ、見てください!」

「!」