へたれ王子





「えっ?いや、あの…」



あたしがその紙を受け取らずに困っていると、星河先輩がだらしなく体勢を崩して言う。



「ねぇ頼むよ~!俺マジでダルいんだって~!」

「!」

「もうやだ~。だから体力テストなんて嫌いなんだよ、すぐ疲れるし…」




そう言って、盛大なため息とともに机の上にうなだれる星河先輩。


…その姿は、あたしが知っている星河先輩とは全く違う。

だってあたしが知ってる星河先輩は、優しくてカッコ良くて男らしくて…絶対にそんな人じゃない…はず。

そんな星河先輩を前にあたしが目を疑っていると、先輩は紙をあたしにやって、うなだれたまま動かなくなった。




「え、ちょっと…星河先輩っ?」

「…」

「起きてくださいよ!」




そう言って声をかけてみても、星河先輩は全く動く気配がない。




「…わかりました、あたしが書きます」



そんな星河先輩に観念して、あたしが先輩の分の紙を受け取ると、次の瞬間星河先輩は目を輝かせて起き上がった。