紅に染まる少女



カラカラ…

うん、いつも通り。安定だな


私が教室の扉を開ければ
皆が私に目線を向ける
いや、視線に刺されてるって言い方のが
わかりやすいかな

このシーンとした空気はいつまで
たっても慣れないものだな
視線に刺されながらも平常心を保ち
数いる人間(かたまり)を
よけていく。…はずだった

ズシャッ

少しましになった空気は
また張り詰める、そしてまた私に
視線攻撃。痛いからやめてよ

「ふふっ派手に転けたんだね
風野虹成さん。手、かしてあげようか?」
そういって手を差し伸べる
茶髪のケバケバさん

「…大丈夫です」

ヨロッとしながらなんとか立つ
…大丈夫なわけねーだろ
なんて本音は心に止め建前だけを
綺麗に並べる

「そう…?大丈夫なら
早くたってもらえる?皆の通行の
邪魔になるから…ね?」

「はい、すいません…」

こうなったのも全て
この【篠崎 麗華】のせいだ。