桐山 流。


同じ2年生。
同じく…、キャプテンを務めことになったオトコ。


ベンチにすら入れず、ひたすらスコアつけに夢中になっていた私と。


1年からスタメンで、活躍し続けて来た彼とでは……



大きな差がある。


チームの司令塔、冷静かつ迅速に……自分が動きつつ周囲をも動かす彼は……いわば、ゲームキャプテン。

一方の私は、試合を外から眺めて…、客観的な物言いしかできない、チームキャプテン。
審判に質問さえ出来ない…立場。


こうまで雲泥の差があるのに…、同じ呼び名で呼ばれるなんて、申し訳なさと、情けなさで……相当気が退ける思いがした。




「………。上手くなりたい。」



ふわりと…宙に浮いて。


味方が外したシュートを、指先でひょいっとタップして……そのままゴールを決めた桐山。



間髪置かずに、また動き出す彼の姿を見つめながら…。


私は小さく…呟いた。


少しでも…、追い付きたいのだ。