広い広い体育館に、
キュ、キュッと……
靴が擦れる音。
2つの音が重なって。
時折……
冷たくなったその手を、お互いに…
温め合う。
高校3年生の…、12月。
最後の戦いが……待っている。
同じステージに上がる、その足音が…
近づいて来ていた。
ボールを運ぶ桐山が、ピタリと…足を止める。
「船橋、タイム。」
「は?」
挙げていた手を、下げると……。
「隙あり!」
不意打ちの…速攻は。
寒い空気をも吹き飛ばす……
熱いキス!!
「お…、オフェンスチャージング!そこの4番!!」
この恋は……始まったばかり。
青春は、まだまだ…終わらない。
FIN