「正直に言おうか。」
桐山は、足を止めて…。
私の方へと、振り返る。
「船橋に、いつか指摘されるんじゃないかって…焦ってた。だから…できればアンタと、関わりたくなかった。」
「………は?」
「……『 You didn't practice harder, so you lost the match.』」
「……??」
何故……、英語?
頭のデキの差まで…見せつけてる?
「前に…、英語で解答教えただろ?あれ、視点を変えて言い換えると、こうなるんだよ。」
「………?」
「あの時…、ウィンターカップの後、誰も俺を責めなかった。みんな、よくやったって…言うばかりで。」
「…………。」
「船橋だけ…、何も言わなかった。でも、アンタがつけてたスコア見て…納得した。」
「………?いや、桐山に声掛けなかったのは、アンタには、次があるし…何よりも、孤高の存在っていうか、近寄り難かったってだけで深い意味は……。」
「………。『孤高』ね。無意識に…ちゃんと、問題視してるじゃん。」
「………??」
「『You didn't practice harder,』 ……アンタが一生懸命練習に励んでないから。『so you lost the match.』だから…試合に負けた。」
「………。」
「……スコア見たらその通り過ぎて…、ムカついた。アンタに対しても、自分に対しても。敗因は……俺にある。そう思われてる気がして。」
「…………。」
「まだまだ…、全然足りてないかもしれない。この大会で……結果は残せないかもしれない。だから…、まだ、辞めたくない。雪辱を…果たすまで。」
そう……
強い意志を、瞳の奥に宿らせて…。
桐山は、口角を上げる。


