結局……地区大会は、何とか突破して。
県大会へと駒を進めたものの…。
コート内どころか、その外からだって、チームをまとめあげることさえ出来ないふがいのなさに……
がっくりと、肩を落とす羽目になった。
一方の男子部は。
桐山の期待を裏切ることのない活躍で……、
簡単に、優勝を決めていた。
「桐山にボール集めたら敵なしだな!」
「快勝快勝~♪」
笑顔で、キャプテンの功績を讃える男子メンバーと。
「ねえ、菜穂。昨日の試合…どうだった?」
不安げに、教えを乞う女子メンバーと。
キャプテンとしての、格差を……痛感する。
チームメイトに囲まれた彼と、見上げた私との視線が…偶然、ぶつかってしまう。
でも、こんな惨めな姿を見られたくなくて…。
露骨に、逸らしてしまった。
仕方ないじゃない……。
もうすぐ……、決断の日が、やってくる。
胸を焦がすような思いがないままに、6年間続けて来たバスケ漬けの人生。
もやもやとした葛藤が……
急激に現実味を帯びて。
大きく……のし掛かってきていた。