「………チハル」



かすかに彼の名前を呼ぶと、『ん?』まん丸い目を見開いて、すぐに声が返って来た。


なぁに?どうしたのって。

くりくりと瞳を揺れ動かして、私をじっと見つめるんだ。





そう。あの頃はまだ、こんなにも純粋で、優しくて、あたたかくて、こどものような目をして、私を見ていた。


あの頃は。