今まで妹みたいに思っていたのに…
知らない間にこんなに可愛くなって…
玲奈に殺されそうだけど、俺は今、確かに妃奈にときめいている。
妃奈はまだまだ子供だって分かってるし、かなり歳の差あるけど
でも俺は…
「妃奈!」
周りの声を掻き消すように、俺は声を出す。
妃奈がこっちを向いた。
そんな些細な行動に、俺の心は乱される。
こんな感覚は久しぶりだ。
「制服着て、急に大人っぽくなったな。
すげー似合ってるし。」
こういう時、何て言えばいいんだっけ。
分からなくなった俺は、思った事をストレートに言った。
そしたら妃奈は頬を赤くして、小さな声でありがとうって言ったんだ。
その姿があまりにも可愛くて、俺は彼女の頭に手を伸ばす。
ポンポンと撫でてやると、妃奈は上目遣いでこちらを見る。
信じられないくらい可愛いのに、俺は和んでいられない。
違う方向から刺さる玲奈の視線が非常に痛い。
やっぱり妹を誑かしてたんだ、早く離れろ…そんなメッセージが目から次々送られてくる。
でも、今の俺は玲奈の声を聞く気が全くない。
「中学が楽しみだな。」
「うん…」
俺はこの時に心に誓った。
妃奈が俺を好きだと言ってくれるなら、俺はずっとこの子を守っていこう、と。