察してください

「いいですよ別に、無理しなくたって。
そんなところも可愛いし......」


「え、それほんと......きゃっ」 



最後の方は水沢くんの声が小さくなっていくから、一言ももらさずにしっかり聞こうと耳を傾けていたら。

今度は足下の注意がおろそかになっていて、田んぼに落ちそうになる。



「言ってるそばから、なにやってるんですか!」



田んぼに落ちそうになるギリギリのところで、水沢くんがあたしの腕をつかんで落ちないように助けてくれた。


今度ばかりは、バスケットボールをぶちまけたよりも、もっと強く怒られる。


俺がいなかったら、どうする気だったんですか。その調子で車道に飛び出さないでくださいね。って。



本当だよね。
天然ボケとか男の子から守られたいとか、狙ってやってるわけじゃないのに、素でドジな自分が嫌になる。


だって美少女がドジだったら可愛くても、あたしがやったらただの痛い子だもん。