「ほらね、じゃあ頑張らなきゃ」
「うん、そうだね。あたし、夜久君に告白する」
「うん、がんばれ」
背中を押すようにくれたものを噛みしめるようにして頷く。
なんだか告白するって決めたらすぐにでも会いたくなってきた。
なんて単純なんだと思うけど、あたしは決めたらすぐにでも動かないとそわそわしちゃうんだから仕方ない。
いろいろ思い悩むけど結局、行動する方が性に合っているのかもしれないな。
そこまで思考して、あたしのポケットに入ったスマホが震えた。
なんだろう、と取り出したスマホの画面を確認して、心臓がどくりと大きく刻むのが分かった。
「夜久君からだ......」
あの日、一頻り泣いた後、連絡先を交換した。
でも、夜久君は頻繁にやり取りするような性格ではないようで、まだまともに使ったことがないそれが初めてメッセージを受信した。
それが嬉しくて自然と頬が緩む。
「お? 噂をすればってやつだね。夜久君何って?」
「えーっと、『今日の夜は丘に来れる?』って。でも、変だなあ。今までこんなメール来たことなかったのに」
晴れてる日は丘の上で会う、というのは暗黙の了解で、いちいち約束することはなかった。
今日は晴れてるから行こうかなあとは思っていたけれど......。


