謝ってるけど反省の色なんて見えない楓に呆れて溜息を吐く。

そんな溜息など露知らず、楓は楽しそうに話を続けた。


「夜久君もやるよねえ。女なんて興味ない、みたいな顔しちゃってさー? それがまたクールだとかなんだとかで人気あるらしいよ」

「人気のある人は違うね。同じクラスメートなのに遠い存在に見えちゃう」


うんうんと頷いて楓は机に突っ伏している夜久君の方を見遣る。


「なんか同じクラスっていうのもいまいちピンとこないよね。ま、私は元々興味ないしー。目の保養にはすごくすごく助かってるけどねー」

「あれ、興味ないの?」


てっきり他の女の子みたいに付き合えたらいいなあとかって思ってるのかと思った。

でも、私の予想とは大きく外れたみたいで、あり得ないと言うように首を振った。