「じゃあ、一番分かりやすいオリオン座から。ほら、あそこに三つ、同じくらいの明るさで輝く星があるだろ」


そう言って指差す先には同じような明るさで輝いている星が三つ。

すぐに見つけられて、「うん」と頷いた。


「その星三つがオリオン座の目印なんだ。その三つの周りを囲むように四つの星がある。

それを繋ぐと砂時計みたいな形になるだろ? それがオリオン座の身体の部分」


オリオン座は小学校の授業で習った覚えがある。

だから、夜久君が指さす星達を繋いで形と教科書に載っていたあの形を頭の中で照らし合わせたら本当に砂時計の形をしていて、感嘆が零れた。


「すごい、ホントだ。砂時計みたい!」


見つけられたことに嬉しくなって夜久君の方を見ると、満足そうに笑ってくれた。


「あ、そうだ」


思いだしたようにズボンのポケットに手を突っ込んで、夜久君は黒いスマホを取り出す。

それを起動させて操作すると、目的の画面を開けたのか、「これ」と言ってスマホの画面を見せてくれた。