「あーあ、なんかつまんないなあ」


授業と授業の間の10分休み。

教科書を片付けたり、友達と話したり、トイレへ行ったりと各々が休んでいる中、あたしは窓の外の景色をぼーっと眺めて呟いた。

ひんやり冷たい風があたしの長い髪をふわりと舞い上げる。

まだ雪は降らないとはいえ、初冬。

セーターを着ていても寒い。


「雪穂ー、なに黄昏てんの?」


友達の奥空楓【オクソラカエデ】が不思議そうに聞いてくる。

それをあたしは視線を外に向けたまま答えた。


「んー? 黄昏てなんかないよー。ただ、つまんないなあって」

「またそんなこと言ってんのー? なにがつまんないのよ」


呆れたような感じで隣にやってきた楓も外を見つめた。

面倒そうにしつつも答えを待つように視線を此方に向けるから、あたしは少し考えてから曖昧な答えを出した。


「うーんと、この生活がつまんない?」

「なんで疑問形なの?」