櫚子は私の頭をポンと
撫でて自分の席へと戻っていった。
私は思わず、教室の窓際で笑い合う
嵩広と楓ちゃんの方を見た。
「…………」
私は顔を机に伏せた。
こうしてればちょっとは楽だもん。
胸がズキズキして…苦しいよ……。
私はそんな気持ちをカムフラージュしながら、
今日の学校を無事に終えた。
そして、放課後の教室に残って皆が
ワイワイと騒ぎ始める。
「お前らどーなの?」
「もーヤったの?(笑)」
「えーっ!嵩広くん、やだよー…」
「田中さんより私のが良いよっ!」
皆が教室で囲むのは嵩広と楓ちゃん。


