『家にお弁当用意してくれてたから…。』 私は思わずお母さんの隣に 立ってる男の人の方を見た。 《誰なの?》 それを聞いてはいけないんだ… だって…聞いたらきっと…… 『あのね、この人は私と今度結婚するのよ』 壊れちゃう……。 私は泣きながら家を飛び出した。 幼い私でも分かった…。 お父さんとお母さんは…… 『うっく…ひっ…く…』 私は1人で悲しくなると 決まってくる場所があった。 赤い鳥居…狐の神様がいる神社。 私はそこで1人で泣くのがお決まり。