「うぅっ…意地悪!嵩広のバカーっ!」


私は口元をハンカチで押さえて

グッと嵩広の方を向いた。


すると、嵩広は私の隣にそっと座り込んだ。


「頼むから俺の前から消えてくれるなよ…」


嵩広は私の方を向いて悲しい笑顔を見せた。

こんな顔させたいんじゃないのに…


「嵩広……」


「ん…?」


「私、どうしたら良いの?」


分かるんだけど分からないよ……

だって…嵩広の求める答えがほしいから。


「………衣乃…」


「このままじゃ、全てを壊してしまいそうで…
私は寂しい世界で1人、ずっと待っていないと
いけないのかな…?」


怖いんだ…。

嵩広の大切な人を傷付けてしまうことが…。