全部苦しいことも悲しいことも 受け止めてくれるんだね。 「行こうか、衣乃ちゃん。」 「うん…。」 渚くんは私の手を引いていく。 だけど、私は楽しいことの後には 又、苦しい現実が迫り来ることを知らなかった。 少し歩いた先に見えた人。 地味で目立たないあの子。 だけど、輝いて見える…。 私より断然、ヒロインって感じがする。 「あっ…田河さん、友枝くん!」 楓ちゃんは私達を見つけるとすぐに手を振って こちらにやって来た。 何よ……何の用なの? てか、嵩広は? 学校の帰りは一緒じゃないの?