「やっぱり衣乃ちゃんは変わり者だ(笑)」
「えー(笑)そぅ?」
「うん。大概の女の子が俺の言葉に甘えてくるんだけどね、やっぱ衣乃ちゃんは面白い(笑)」
渚くんは私を見て笑った。
私もつられて笑った。
だから楽しいんだ。
嬉しいんだ。
「ありがとう。」
私は今日も明日も幸せになれそうだよ。
私はいつもの神社に行こうと又、歩き出した。
でも、渚くんが言った一言で
私の足はすぐに止まった。
「衣乃ちゃん、家まで送るよ?」
たった一言。
私の帰る場所なんてない。
嵩広にもフラれ、家庭にも私の居場所はない。


