渚くんがゆっくりと私の元へ歩いてくる。 私は思わずベンチから立ち上がって タオルを持った手を渚くんの方に伸ばした。 「ありがと!」 渚くんは無邪気に笑って 私からタオルを受け取った。 「あの頃の嵩広みたい…」 「えっ…?」 渚くんが不思議そうな顔をして私の方を見た。 ヤバい…思ったことそのまま言っちゃった…! 「いや、何でもないよ?」 私は渚くんに笑顔を向けたけど その笑顔は偽物。