「えっ…?」 「渚くん、私学校に行ったら……」 私は立ち止まったまま下を向いた。 怖い…もう怖いの…。 優しさに触れるのが怖い… 「衣乃ちゃん…」 「私はここに残るよ。 だから渚くんは学校行ってきなよ!」 私は渚くんの胸を押した。 すると、渚くんは驚いた顔をして 私の方に近づいてきた。 「もしかして…衣乃ちゃんが 泣いてた理由が学校に関係あるとか…?」 「………うん」 私が顔色を変えず答えると渚くんは 私の頭にポンと大きな手を乗せた。