ーーージリリリリ…
と朝から鳴り止まない目覚まし時計が
俺の重たく閉じられたまぶたを開かせた。
目を覚ますと俺は和兄の部屋にいて、
椅子に座ったままだった。
ベッドには衣乃はいない。
昨日と何か違ったことがあったとすれば……
俺の肩に布団がかかってある事。
「全く、衣乃の奴………。」
俺はクスッと笑った。
そして、和兄の部屋から出て、
階段を下に降りると…………
「あっ!おはよう、嵩広っ!」
「おっ…おぅ。はよ…」
昨日の泣き顔とは違う元気な衣乃が
朝ごはんを俺が座った席にトンと置いた。
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