「何でだよ…衣乃…」 俺が今まで見たことない様な泣き顔だった。 俺は家の玄関の鍵を開けて、和兄の部屋に 衣乃を寝かしつけた。 「衣乃……」 そんな風に… そんな風にいつも1人で………… なのに俺は何もしてやれねー。 「ごめんな。衣乃…。」 俺はベッドで眠る衣乃の腫れた目を見た。 こんなになるまで 泣くような辛いことがあったんだな…。 「頼むから…俺の前でだけは笑っててくれ…」 俺はそんなことを言いながらも、 いつの間にか眠りについてしまった。