だけど、田中は違った。 俺を真っ直ぐ見てる。 『地味』だとか『暗い』だとか… 皆にはそんな風に思われてるんだろうけど 俺にはそんな風に見えなかったんだ。 田中は…『誰よりも暖かい奴』にしか 俺には見えなかったんだ…。 「田中…ここの階段、危ねぇから気を付けろよ。」 俺は田中に手を差し伸べる。