ずっと伏せたままの写真立ての中に

俺と和馬と衣乃が3人で笑ってた。


俺は少しだけ立てた写真立てをまた倒した。


衣乃の笑顔はあの頃のままそこにある。

ただ、少し作り笑いが多くなったかも。



衣乃の心からの笑顔が無くなったのは和兄が

居なくなって少ししてから。


衣乃の両親が離婚して、それから少しして

新しいお母さんがやってきたんだ。


「和兄……なんで死んだんだよ……」


あんたは生き残るべきだった。

俺は最低な生き方しかできない。


衣乃を幸せに出来るのも

和兄だったはずなんだ。


和兄だけだったんだ………