私がポカンとしていると私達を通り過ぎた

2人が驚いたような顔をして振り返った。


「渚………!なんで?」


渚くんがルルーと呼んだ女の人は

綺麗なワンピースとコートを着て、

キャリーバッグを持っていた。


その隣で優しく微笑む男の人……

あぁ……私この人、知ってる……


「衣乃さん…お久しぶりです。」


綺麗な顔で笑う人……。

この人は……


「ヨルくんっ……」


私、思い出したよ。

私が一人の時いつも助けてくれた。


優しく手を差し伸べてくれた。