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私は渚くんの方を向いた。

渚くんは小さく頷いて私の頭を撫でた。


「大丈夫。俺達はもう出会ってしまった。他人みたいな顔なんて彼らには出来ないし…させない」


私は渚くんの言葉に小さく頷いた。

これは運命なんだ。


私達はロシアの空港から出ようと

さっさと歩き出した。


その時だった……!!


空港の出口を通り過ぎようとした時に

一人の私そっくりな女の人と

綺麗な顔の男の人が私たちとすれ違った。


渚くんの足がぴたりと止まった。


「ルルっ!!」


渚くんは後ろを振り返り、大声でそう叫んだ。


私は驚いて渚くんの顔を見てしまった。

だって……凄い真剣な顔だったから……