俺の見た田中はまるで別人で………

でも、それでも真っ直ぐな目で俺を見るんだ。


俺の心の中を見透かしているような……

そんな目で……


「あのさ…俺、田中に言い残したことあるんだ。」


俺は田中がいたから大切なものに気付けた。


「俺に愛を教えてくれてありがとう。」


田中がいたから俺は又真っ直ぐ道を

逸れる事なく進むことができたんだ。


「一体何なの…?」


田中ははぁっと息をはいて空を見上げた。

春の日に近づいている気がしてる。


どうして田中への言葉はこんなにも……

悲しい色をしているんだろうか。