~明日の18時、あの神社で待ってる~
俺の送ったメールが田中に届いているなら
もうじきここに田中は来るだろう……。
俺は木にもたれかかって
少しだけ目を閉じて息を吸い込んだ。
誰かの階段を登る足音が近づいてきている。
コツコツと一段一段登る少し高い音と
ジャラジャラと金属が擦り合うような音。
確実に大きくなっていく物音。
はぁーと息を吐いた瞬間に俺はゆっくり
階段の方を向いた。
「何か用、嵩広くん…。」
高いピンヒールに似合わない化粧。
真っ赤な爪に派手なアクセサリー。
「田中……」
これが今の田中のあるべき姿なのだろうか。