だからきっと渚くんは

気づいているのかもしれない。


私達にはやり残したことがあるって………


「渚くん、行こうっ!」


私達の最初の難関、

まだ分からない事が目の前にある。


せめて優しいヒントがあれば分かるんだけど…


「ルルさんとヨルくんの所へ!」


自分で答えを見つけなきゃ駄目だから。


私は渚くんに手を差し伸べて笑った。

渚くんはそんな私を見てフッと笑った。


「衣乃ちゃんには勝てないなー。」


渚くんはヤレヤレと私の手を取った。

そして渚くんは私の顔を見るなり、

少し悲しい顔して空を見上げた。


「俺さ…ルルの事、思い出したんだ。
心の片隅に置き去りにしてた記憶をさ…」


渚くんは私の頭をクシャっと撫でて

クスッと笑った。