「終わりにしよう。」
その言葉が聞こえた瞬間、
俺の知らない記憶が溢れだした。
衣乃ちゃんとそっくりな女の子と付き合ってい
て俺は散々、衣乃ちゃんに嫌な思いをさせた。
本当は衣乃ちゃんの彼氏なのに、
『ルルの恋人だ』と言い張り、
泣かせた日もあった。
俺は………
「渚くん……私はきっとあなたを
追い詰める事ばかりしてるんだ。」
俺のやってきた事は……
「私は1人だった…。1人ぼっちが
寂しくて優しいあなたを頼った…」
衣乃ちゃんは俺の為に何も知らないふりをして
俺には悲しい顔一つ見せないで笑っていた。
いつも側で笑ってくれてた。
俺はそんな衣乃ちゃんの
大切な人も心も笑顔すらも………
全てを犠牲にしてしまったんだ………。