「雪の魔法はもう溶ける…。」


衣乃は俺の方を向いたかと思えば、

渚の胸を押して、少し険しい顔をした。


渚は驚きを隠せないような顔をしていた。


「春が来て、私達の出会いすらも
かき消すの。そして私たちは……」


衣乃は分かってたのかもしれない…。


俺の醜さも俺の愚かさも……

俺がどれだけの人を苦しめてきたかも……


それでも……


「明日の扉を探すべきなの。だから……」


衣乃は……


「終わりにしよう、渚くん。」


俺の味方でいるつもりなんだ……。