元から傍にいた……?
あいつにとったら確かにそーとも言える。
でも………
「衣乃はお前を好きじゃねーっ!!」
衣乃はまだ渚の事を
心から許せてないんだって……
今だってそう。
衣乃が渚から目を逸らして俺を
グッと見つめるのも……
そーゆーことだよな?
「嵩広……お前っ!!それじゃ、なんで
俺と衣乃ちゃんが付き合ってんだよ!!」
渚は俺の胸ぐらを掴んで、グッと
こみ上げるようにキリキリと歯を立てた。
「衣乃っ…!答えてやれ。お前の言葉で……」
俺は衣乃の方を向いて
渚に胸ぐらを掴まれたまま声をあげた。
衣乃はグッと唇を噛み締めて、
拳を自分の胸に押し付けた。